2014年10月17日金曜日

TOEFL勉強法・戦略⑥(リスニング)

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【MBA受験関連投稿】


Ⅰ.MBA受験全般

Ⅳ.出願関連
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 リスニングは多くの純ドメ受験者が最も苦労するセクションだと思います。
 段々バックグラウンドノーレッジが付いて得意なトピックが出てきますが、テクニック的なものはほとんどない。当方はこのセクションの勉強でだいたい400時間くらい使ったんじゃないかと思います。それでも他のセクションに比べて安定しない。




■ 勉強媒体

 リスニングについても当方が使った勉強媒体をとりあえず順番に列挙します。


1.基礎からはじめるTOEFLテストワークブック リスニング編

2.iBT対応TOEFLテスト完全攻略リスニング (TOEFLテスト完全攻略シリーズ)

3.受験英語からのTOEFL Test iBTリスニング

4.トフルアカデミー(予備校)

5.WebTOEFL(ネット予備校)

6.オフィシャルガイドオフィシャルテスト


 ほかにも2冊ほどタッチした和書があったのですが、アマゾンに出てこないのと、そもそもTOEFLのリスニングに当たっては、いろんな問題をこなすことにほとんど意味がないというのが当方の結論ですので割愛します。理由は以下で。ここでは各媒体の批評も書きません。


■ 勉強法

*何が足りないか

 一般に、リスニングには、
 ① 単語の音を聞き分ける能力
 ② 聞き分けた単語の音の連続を英文として理解する能力
が必要だと言われています。いくら①の能力の向上を図って音を聞き分けられるようになっても、瞬時に内容を理解できないと全く記憶に残らないので意味がないです(余談ですが、無味乾燥の単語の羅列と意味のある文章を構成する単語の羅列で、記憶に留められる単語数がどれくらい違うか、という趣旨の研究結果があったと思います。)。
 なので、リスニングの勉強に入る前に、TOEFLのオフィシャルガイドのリスニングのスクリプトを、返り読みせず、最低でも1分75単語くらいのスピードで読んで理解できているか確認してください(実際のリスニングはもっと早いですが)。
 できていない限り、「② 聞き分けた単語の音の連続を英文として理解する能力」向上のために、まずはリーディングの勉強や単語暗記に励むことをことを推奨します。当方は、かなり初期の段階で一度和書のリスニング問題に取り組んでみたものの、スクリプトを熟読しても意味不明な事態が多発したので、リスニング学習は後回しにしました。当時、リスニングに手を付けるには、返り読みしない読解力、単語力ともに全く足りてませんでした。


*聞き分ける能力向上のために

 単語力が備わり、且つTOEFLのリーディングに慣れてリスニングのスクリプトならすらすら読んで理解できる、という段階に入ったら、「① 単語の音を聞き分ける能力」向上のために、当方はディクテーションをお勧めします。ディクテーションの取り組み方はトフルアカデミー(予備校)で散々仕込んでもらいました(勉強法からして迷走していた当方にとってかなり有益でした。)。

 オフィシャルの問題について、申し訳程度にまず問題を解き、答え合わせをぱっぱとしたら、もうディクテーションです。一文(長い場合は接続詞の手前で区切り)を聞いては聞けたところを書き、もう一度聞いてはそれを補足し、という作業を、全部書き起こせたと思うか10回聞くまで繰り返します。
 で、スクリプトを確認しつつ、改めて音声を聞く。冠詞の抜け落ちや単複、過去形のedまでちゃんと聞けているかをチェック。これが終わったら次の文。
 リスニングで23点前後を取れるようになっても、3分のスクリプトを全部起こすのに平気で1~2時間とかかかります。なので、媒体としてはオフィシャルのものでもけっこー十分なんですね。
 模擬試験一式がオフィシャルガイドには3セット、オフィシャルテストには6セットあったと思います。各セットにリスニングが9題、1題平均4分として、全部で324分。上記ディクテーションをやるとテキストを一周させるだけで100~200時間くらいかかる計算です。スコアが不十分なら当然の2周目。なので、これをやれば、オフィシャルの問題に比べて質の下がる和書の問題にまで手を広げる必要はない可能性が高いです。どうしても足りなければ、(WebTOEFLでも使われていますが、)Deltaが文章の質としては本試験に近くていいんじゃないでしょうか。

 同じパッセージに凄まじい時間がかかり、飽きてしまうとの理由でWebTOEFL(ネット予備校) ではあまりお勧めしていませんが、ディクテーションがリスニング力を向上させる最短の道というのが当方の結論です。
 シャドーイングもよく提唱される勉強法ですが、これはしゃべることに夢中になって、構文や意味をあまり意識できなくなります。WebTOEFL(ネット予備校) が推奨するような聞けなかった部分をマークする方法はどうしても受動的になり、時間当たりの中身の濃い勉強になりません(あくまで個人的意見ですが。)。
 ディクテーションを繰り返すことで、自然と冠詞や時制のような細かい部分にも気づくようになり、ライティング力の向上も期待できます。


*ツール

 1文をリピートしてくれるツールがマスト。当方は、iPhoneで語学プレーヤーを使ってました。倍速や二分の一倍速もできます。どうしても聞けない単語は悔しいので二分の一倍速で聞いてみたり。
 二分の一倍速でも全くスクリプトの単語に聞こえないときは、音声がおかしいと割り切って次に進むことができました(たまにほんとにスクリプトと違う単語を喋ってるときがあります。)。
 費用対効果を考えれば、このアプリのためだけにiPodを買う価値があるとさえ思ってましたが、どうやら今はandroidでも使えるようですね。


■ 試験での戦い方

 先述のとおり、リスニングセクションにおいてテクニックはほとんどありませんが、テーマごとの最初の問題はたいてい、何の話か、学生はここに何しに来たか、という大まかなトピックを問う問題なので、ここを理解することをまず意識しました。
 また、大まかなトピックをつかむためには、中身の会話やレクチャーが始まる前のイントロも重要です。何のレクチャーか、どこのオフィスかをイントロで教えてくれるんですね。もしこのイントロの単語(例えばbotany)が理解できないとそれだけでだいぶビハインドです。単語帳を潰せばだいたいカバーできるはずですが、イントロでの頻出単語を抑える上では、iBT対応TOEFLテスト完全攻略リスニング (TOEFLテスト完全攻略シリーズ)も使えます。この本はイントロの重要性を認識し、音とともに収録してあります。

 また、キャンパストピックは、①学生が何かを教授やオフィサーに依頼しに行き、②その希望は叶えられないと言われ、③学生がそれじゃ困るよ、というと④代替案を示される(場合によっては⑤学生がそれも受け入れ難しと言って、⑥相手が別の代替案を提示)、最後に学生が「おーそりゃいい」、というのがおきまりの展開。これを頭に入れておくと少し展開が読みやすくなるでしょう(教授から学生が呼び出しを受けた時は、教授が学生に何かを依頼するという逆の展開です。)。
 例えば図書館に行くなら、①あぁ、本かDVDでも借りるんだな、②でもたぶん貸し出し中だな、③学生はすぐに手に入らないと困るとか言うんだろうな、④代替案はコピーをあげる、とか他の図書館を紹介する、とかかな、と推測が立ちます。
 それでも、クラブオフィスにでも行かれた日には、クラブを立ち上げたい、既存のクラブに使う金がほしい、ダンスの練習部屋を予約したい等々、初っ端からいろんな可能性が考えられて、その分戦いは厳しいものとなります。

 なお、全体としては、キャンパストピックの方がレクチャーより明らかに難しいです。オフィシャル問題をやればわかりますが、1分あたりにしゃべっている単語数がキャンパストピックの方がだいぶ多いので、その分聞き取りが辛くなります。

 それと、3パック目の17問はダミー問題なのでヘッドホンを外して周りのスピーキングに気を配ってください。この時間に最低でもスピーキングのtask1,2(できれば全部)のトピックがなんなのかを把握し、task1,2の原稿を書き上げます。スピーキングが終了すると休憩時間ですが、離席せず周囲のスピーキングを聞き続けることを推奨します(ただし休憩時間中はメモを取れないので注意)。
 
 詳細は追ってスピーキング対策で書きます。


■ 通勤・通学でリスニング?

 少し補足すると、リスニングは、インテンシブに同じ文を繰り返し聞き、書き出し、それでも解らない部分をスクリプトで確認し、聞けなかった部分を徐々に聞けるようにして初めて勉強の体をなす、というのが当方の結論です。
 従って、通勤・通学のように、ちょっとした空き時間に、場合によっては手ぶらでやる性質のものではありません。スクリプトも持たずに漫然と聞くのはもちろん無意味ですが、音声を聞きながらスクリプトを目で追うような受動的なやり方も、あまり効果はないです(実際、当方は、そういう取組みでは一向にスコアがあがりませんでした。)。
 単語学習の投稿でも触れましたが、電車に40分くらいがっつり座れるような場合は別として、通勤・通学中の勉強としては、単語帳のCD活用を推奨します。これが歩行中や満員電車でテキスト等を使えないときでもできる数少ないの勉強法でしょう。



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